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ドール・ハウス [初期クラウン時代]

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『ドール・ハウス』
作詞作曲:イルカ 編曲:渡辺博也

1983年3月20日9枚目のシングルとしてリリース。
クラウン時代最後のシングルは、前曲から約10か月振りのリリース。
アルバムと同時発売だったにも関わらず、アルバムの発売日がすでに告知されていた時期になってもシングルの告知はされておらず、急遽決まった予定外のシングルでした。

ジャケットは、色合いを若干変えただけのアルバムと同じもの。
いかに秀逸なジャケットとはいえ、シングルとアルバムが全く同じというのはいかがなものか…?
ドタバタで決まったリリースだけに、意図的なものではないことは明らかでした。
B面の楽曲も、クラウン時代の終わりを告げる…何とも哀しいお粗末な楽曲。

この5ヶ月後、レコード会社移籍の情報が一部のファンにも流れ始めていました。
『ドール・ハウス』のシングルカットの意味が、この時わかりました…。

同じクラウン所属のシンガーソングライターが注目されていた時期でもあり、待遇の面でファンからも不満が噴出し始めていた時でもありました。
移籍先からのアプローチだったのか…
事務所からのものだったのか…。
当時は、様々な憶測が飛び交いました。

事務所、レコード会社も知らぬ存ぜぬの一点張りでしたが、すでにシングルリリースが決まった時、移籍は決まっていたのでしょう。
ファンとしては、イルカオフィスを離れるわけではないので、新天地での活躍を願うしかなかったのですが…。

アルバムの中の1曲として創られたためか、難しい楽曲です。
イルカさんの魅力的な世界ではあるのですが、この時期の聖子さんが"シングル"として唄う楽曲でないな…と感じたものでした。
個人的には気に入っており、聴けば聴くほど惹きこまれていく楽曲。
イルカさんもアルバム『LOOP CHILD』でセルフカバーしていることからも、この曲を埋もれさせるにはあまりに惜しい…。
きちんとシチュエーションを整え、満を持して発表すれば、もっともっと輝く楽曲なだけに…
移籍騒動に巻き込まれた不遇な1曲です。


   地下鉄が地上に出て
   光りが差し込めば
   もうすぐあなたの駅…

   公園が見えて来る ひくい雲を駆け出せば
   あなたのアトリエ きっとまだ眠ってる

   自分の事を窓の外から
   見るくせがあるの…
   あなたの絵の中 とじ込められても
   ドアの鍵あけるわ 人形の家

   暗い壁 あおいカーディガン
   あなたの描いた絵は
   確かに私そのもの…

   何もかもたよりなくて そんなあなた好きだったの
   あなたの描く絵は 今も私に…似てるかしら?

   自分の事を窓の外から
   見るくせがあるの
   小さな私 ベッドで泣いてる
   一人で組み立てた 人形の家

   自分の事を窓の外から
   見るくせがあるの
   私だけいつも夢をえがいてた
   想い出を閉めるわ 人形の家
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蒼い風景 [初期クラウン時代]

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『蒼い風景』
作詞作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也

アルバム『流れる季節の中で』収録。
リリース当時からあまり話題に上ることもなく、失恋ソングの一つとして、アルバムの中の1曲として流されがちな、地味な存在の楽曲ですが…。
前作のアルバム『卒業』に収録された『青春エピローグ』に続く自身の手による失恋ソングは、より彼女の性格が如実に前面に出ており、生来の気の強さを感じさせる1曲。
聖子さん自身の性格、経験から出てきている詩と、創作の部分の詩が混在していることが窺える1曲…。


白黒はっきりさせないことには気が済まない聖子さん。
「思ったことがすぐに口に出てしまう…」と自らを戒めることはあるものの、性格は簡単に直せるものではないので、思わぬ発言に驚くファンも…。

折り紙つきの頑固とへそ曲がり、そして気の強さが裏目に出ることも度々あるようで、落ち込んだり後悔したりすることも…。
そんな気の強さと自らの発言で人を傷つけてしまったことを振り返り、その想いを綴っている詩も其処此処に…。
欠点も多く、それを隠して良い子ぶる素振りもなく、我を突き通す姿も彼女の魅力の一つ。

次のフォノグラム時代のアルバムには、更に気の強さが顕著になっている楽曲が次から次へと…。
『蒼い風景』は、まだ序の口。


   他の女性(ひと)を好きになったの?
   本当のことを言って下さい
   あなたの瞳に映る翳り
   偽りの優しさはつらくなるだけ
   何も恐れない 心から好きだった
   だけどいいのよ 人知れず泣くの

   恋愛時代終えた後には
   憎しみ別れる人もいるけど
   もうこれ以上苦しめたくない
   私の方から「サヨナラ」言うわ
   何も恐れない 初めて愛した男性(ひと)
   あなたの心 つなぎとめられないの

   何も恐れない 心から好きだった
   だけどいいのよ 人知れず泣くの

   何も恐れない 心から好きだった
   何も恐れない 心から好きだった
   何も恐れない 心から好きだった
  
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イルカさん、沢田聖子さんとの出逢い [イルカ]

何気なく始めたことでした。
こんなに続くとは自分でも思っていなかったのですが、気がつくと、もうクラウン時代も終わりに…。
根気がなく、飽きっぽい自分からは信じられないことです。
自分自身のことを綴るつもりは全くなかったのですが、せっかくここまで続いているのなら、大切な女性との出逢いのことを綴っても…
と思い……。


私は沢田聖子さんの一つ年下。
正確には1歳半。
学年で言えば、聖子さんは2年上級生。
彼女の誕生日がくると二つ離れ、自分の誕生日がくると一つ近づき…。
高校・大学時代は、自分の誕生日が来るのが待ち遠しかった…。
思春期の二つの差はあまりに大きく、とても耐えられなかった…。
早く、少しでも近くに…。
そして、永遠に近づくことのない距離にどれだけ苦しんだか……。

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聖子さんがデビューした1979年、昭和54年。
私は高校入学の年でした。
4つ上の姉の影響もあり、小学6年くらいからフォーク・ニューミュージックを聴き始めていました。
アリス・荒井由実・吉田拓郎・オフコースなど…。
そして中学時代、特に私の心を惹きつけたのは、イルカさんでした。
少ない小遣いをためてレコードを集めたり、ラジオを聴いたり…。
中学校の生徒手帳にイルカさんの写真を入れるほど、大好きでした。

生まれて初めて買ったLPレコードは、イルカさんの『イルカライブ』。
ジャケットが気に入っていたのと、コンサートを観に行ってみたい、という想いからでした。
このライヴアルバムに収録されていた楽曲が、私の人生観を変えることになります。

『いつか冷たい雨が』
コンサートの最後、アンコール等に持ってくる、イルカさんとファンにとって大切な楽曲。
イルカさんの想いの全てが込められている楽曲です。
初めて聴いた時、悔しくて涙が止まらず…。
それまでわがまま放題だった自分が悔しくて…。
思いやる気持ちを知らなかった自分が情けなくて…。

それ以来、ひと・動物・ものへの接し方が変わりました。
自分だけが、人間だけが偉いのではないと…。
相手の気持ちを思いやることを、イルカさんに教えていただきました。
イルカさんと出逢っていなければ、私はもっと我ままな人間に育っていたはず…。

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イルカさんのファンだったことが幸いしたのか、出逢うべくして出逢ったのか、早くから沢田聖子さんのデビューを知ることができました。
イルカオフィスから、新人シンガーソングライターがデビューする…。
少なからず興味はあったものの、あのイルカさんに適うはずがない…。
と高をくくっていました。

デビュー前、何かの雑誌で見たのか、沢田聖子さんの写真を初めて見て…。
私の中で何かが動き始めました…。
一度動き出したら止まることのない歯車がゆっくりと…。

デビューシングルを買い、音楽雑誌で取り上げられる記事や写真をしらみつぶしに探し…。
「この娘はどんな娘なのだろう…」
ほんの小さな記事でも、載っていれば手に入れて…。
その行動は、イルカさんの時とは比べ物にならないほどの勢いと、熱の入り方…。

学校での授業中、家で机に向かっている時、電車に乗っている時…。
気がつくと、頭の中は沢田聖子さんのことばかり。
ノート、教科書の余白には、同じ文字が…同じ名前がいくつも…。
"沢田聖子" "さわだしょうこ" "SHOKO SAWADA"
目の前で見てみたい…逢ってみたい…。
唄う姿を見てみたい…。

1979年12月2日。
イルカさんのカムバック・リサイタルで聖子さんが前座を務めていることを知り、渋谷公会堂のチケットを手に入れました。
それまでのようにイルカさんを見に行くためではなく、聖子ちゃんに逢いに…。

30分ほどの5曲ほどのステージでしたが、1曲1曲唄い終えるごとに丁寧につむじが見えるくらいに深々とお辞儀をする姿に……
「この娘…いい娘だ…」と思ったこと、忘れません。
イルカファンからの大きな拍手に、とてもうれしそうで…。
その日のチケットは、今でも大切な宝物のひとつ。
そして、聖子さんとの長い長いおつきあいが始まります。

高校3年の時だったか…
もしかしたら、聖子さんは自分にとって、一生に一人出逢うか出逢わないか…と言っても言い過ぎではないくらいの大切な女性なのでは…。
と、思ったことが…。

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子供だった私にいろいろなことを教えてくれたイルカさん。
沢田聖子さんを連れてきてくれたイルカさん。
この世で一番大切な女性に逢わせてくれたイルカさん。
イルカさんには一生かかっても返せないご恩が…。

そして、その人が連れてきてくれた女性は…。
初めてステージを観た時、この年齢になって唄ってくれていること、 自分が追いかけ続けていることなど、想像もしなかった…。
そしてあの時感じたことは、間違っていなかった…と。

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流れる季節の中で  [初期クラウン時代]

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『流れる季節の中で』
作詞作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也

アルバム『流れる季節の中で』収録
アルバムの1曲目として始まるタイトル曲。
5分15秒に及ぶこの楽曲は、この時期にしか抱けない想いが切々と綴られている
沢田聖子初期の大作。
それはまるで、ゆっくりと流れる大河のような・・・。

詩の中に出てくるフレーズ・・・
" 少女 " " 青春 " " 卒業 "
偶然なのか、それとも・・・。

二度と訪れることのない青春期を歩いている姿、
周りが自分を追い抜いていく様を寂しそうに見つめる瞳…。
自分だけが同じ場所にいて、取り残されたような…。
そして・・・これまで通りの歩みでいいのだろうか…という焦燥感。
この楽曲だけで、この時の聖子さんの感じていたこと、募らせていた想い…
すべてを感じることができる名曲。

時よ いそがないで… 
時よ いそがないで…

リフレインするフレーズは、胸を締め付けんばかりに…。

4枚目のオリジナルアルバムは、自分の歩みを取り戻し、自分の本当の夢に向かって歩き出した、聖子さんにとっての『 卒業アルバム 』に思えてならなかった…。


    大人になったあなたと
    まだ少女を演じてる私
    昨日はもうかえらない
    時よ いそがないで…

    卒業してから久し振りに逢ったあなたは
    赤い口紅似合う人になっていた
    あの頃とまるで変わらない人ねと小さく笑う
    タバコの煙吐く横顔遠くに感じた

    大人になったあなたと
    まだ少女を演じてる私
    昨日はもうかえらない
    時よ いそがないで…

    お互いの夢を語り合った若い日の二人
    だけど今は違う世界住んでいる
    寂しそうな瞳で昔の話にしてしまうけれど
    青春の1項目(ページ)まだ終わらせたくない

    大人になったあなたと
    まだ少女を演じてる私
    昨日はもうかえらない
    
    時よ いそがないで…
    時よ いそがないで…
    時よ いそがないで…
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ラジオ [ラジオ・TV]

『ラジオのDJは、私のライフワーク。』
以前どこかで語っていた聖子さん。
事務所の力もあってか、デビューの年から東京、大阪でレギュラー番組を持つという
恵まれたスタートでした。

以降、アシスタントとパーソナリティを含めると、
数え切れないほどのラジオ番組を担当してきた聖子さん。
これまでのラジオ番組を全て列挙、と言われたら・・・完全に網羅するのは至難の業・・・。

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現在は、山梨・神戸・北海道・九州でオンエアーされている4本のレギュラー番組を持っています。
山梨の番組は、土曜の朝8:30から11:50までの生ワイド番組。
毎週末、前日に山梨に入るというタイトなスケジュールを2001年から続けています。
他の録音番組もほとんど現地での収録ということで、ツアー中には想像を絶する移動、
スケジュールをこなしています。
特にライヴの多い土曜日は、番組終了後に時間との競争をしながらライヴ会場に向かう
という綱渡り・・・。

それでもラジオでしゃべることを楽しみにしている聖子さん。
DJによって得るものは、計り知れないのだろうと思います。

NHKのFMで隔週のレギュラー生番組を持っていた頃、
担当のディレクターから放送中の日本語の使い方や言葉遣いを逐一注意され、
マイクの前でしゃべるのが怖くなったほど・・・と語っています。
そして、この時のことが後々役に立って、日本語の正しい使い方を意識するようになった・・・
とも語っています。

当時のイルカ・オフィスも、「DJをやらせたのは、ステージでのMCの勉強にもなるのと同時に、10代の彼女にシンガーとしても色々学んでほしかった。」という思惑がありました。

『沢田聖子の曲の日本語、発音は美しい』という評判は早くからあり、業界でも有名でした。
ラジオのDJが、少なからず役に立ったのか・・・。
天性のものなのか・・・。

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深夜放送を始め、ラジオからヒット曲やスターが生まれていた時代。
「ラジオから流れるBGM」という歌詞が当たり前だった時代。
ラジオでしか得られない、ラジオでしか味わうことのできないもの・・・。
番組に投稿した手紙が読まれた時の喜び・・・。
雑音と闘いながら、耳をそばだてて聴いた番組・・・。
ラジオと聖子さんの想い出は、ライヴと肩を並べるほど山のように・・・。

沢田聖子さんと私達ファンは、とてもいい時代に青春期を一緒に過ごした・・・
と思わないではいられません。
そして、これからも『ライフワーク』として続けてくれることを願って。
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さよなら貴方 [初期クラウン時代]

『さよなら貴方』
作詞:沢田聖子 作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也

アルバム『流れる季節の中で』収録。
沢田聖子の楽曲の中で「結婚」をイメージしたものは、ずいぶん後になってから数曲のみ。
そして全楽曲の中で、「結婚」という言葉が出てくるのは2曲。
そのうちの1曲で、初めての曲。

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「日記を書くような気持ちで詩を綴っている・・・」
と語っていたことがある聖子さん。
この詩も例外でないのでしょう。

純粋で素直な気持ちが表れていて、まるで手紙のような・・・。

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モニュメント     [初期クラウン時代]

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『モニュメント』
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:渡辺博也

アルバム『流れる季節の中で』収録。
当時メロディーメーカーとして引く手あまただった、来生姉弟による名曲。
高校1~2年の頃から"来生たかお"のファンだったという、聖子さん念願の作品。
アルバムのラストに持ってきていることからも、この楽曲が特別な存在であることがわかります。
完成度の高さ、クオリティの高さは、非の打ちどころがないほど。

全曲の中でも、ここまで"女"を感じさせるものは見当たりません。
胸が張り裂けるような・・・。
背筋が寒くなるような・・・。
遠い存在になってしまったような・・・。
そんな気持ちで聴いた楽曲。
本人の詩ではないものの、聖子さんを見る目が少し変わった楽曲。
当時の切なさが思い出される、辛い1曲です。



  小粒のパールのしずくが耳でゆれている
  ときめきかくしても無理ね あなたに会える日

  言われたわ みんなに いつもとちがうと

  こんなに変わるもの ヒールまで高くして
  こんなに輝くの 街の色 春めいた心より

  信号変わる直前に足は動きだす
  いつもの店が見えてくる 鼓動が速いわ
  
  恋心急いで あなたへ 飛んでく

  あなたのまなざしのあたたかさみとれてる
  女を感じてる こわいほどいとしくてたまらない

  こんなに変わるもの いままでの私から
  こんなに変わるもの
  この恋は女へのモニュメント
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別れ [想い いろいろ]

アルバム『卒業』から 『流れる季節の中で』 『少女期』・・・。
コンサートパンフレット、初めての写真集『Potential』・・・。

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ずっと沢田聖子さんを撮り続けてくれたカメラマンの大川奘一郎さんが、1月14日、他界されました。
享年60歳。
沢田聖子さんのアルバムジャケットのほとんどが、大川さんの手によるもの。
通算26枚のアルバム中、22枚が大川さんの撮った聖子さん。
聖子ファンにはなじみ深い方で、ライヴ会場でもよくお見かけしていました。

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どんな思いで、沢田聖子さんを撮り続けてくれていたのか・・・。
その時、その瞬間に光り輝く沢田聖子さんをどんな目で見てくれていたのか・・・。
きっと聖子さんの成長を微笑ましい気持で、温かい目で見守ってくれていたのでしょう・・・。

きれいな聖子さんを撮り続けてくれて、ありがとうございました。
これからは、天空から沢田聖子さんと私たちを見守って下さい。
ご冥福をお祈りいたします。

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流れる季節の中で [初期クラウン時代]

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『流れる季節の中で』

1983年3月20日4枚目のオリジナルアルバムとしてリリース。
クラウンレコード時代最後のアルバムは、それまでのアルバムの集大成とも言える厳選された秀作ぞろいの1枚。

沢田聖子初期の大作・タイトル曲『流れる季節の中で』。
メロディ・メーカー来生えつこ・たかお姉弟による『モニュメント』は、後にも先にも見られない、鳥肌の立つような、剃刀の刃のような、女性の切ない恋心を綴った名曲。
イルカ、中里綴、西島三重子と、これまでに評判の高かった楽曲を手掛けている作家陣。
そしてアレンジは、『青春の光と影』で全曲を手がけた渡辺博也が10曲中9曲を担当。

ジャケットはモノクロに黒の帯という、およそ沢田聖子に相応しくないカラーを前面に出し、
このアルバムの意味するものを暗示しているような・・・。
何かを語りかけてきそうな眼差し・・・。
ファンの心をくぎ付けにする秀逸なジャケットです。
ただ聖子さん自身は、あまり気に入っていないようで…

聖子さんのオリジナルは5曲ですが、どれもこれまでに見られなかった詩に、舌を巻く思い。
ラブソングに綴られている文字は、明らかにそれまでのものとは違う。
それまでのような淡い恋心ではなく、想い慕う恋心が切実に・・・。

バラエティ豊かなこのアルバムに「いま一つコンセプトが見えない」という声もありましたが、短大を卒業し、プロとして大人の女性として歩き出した聖子さんの姿がはっきりと見ることができる1枚です。

このアルバムが、聖子さんにとって真の『卒業アルバム』ではなかったのか・・・。

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ファンとして [想い いろいろ]

初めて目の前でサインを書いてもらったとき。
初めて目を合わせて握手をしてもらったとき、手を握ってくれたとき。

もう数え切れない程サインをしていただき、握手をしてもらっていますが、不思議と初めての時のことは鮮明に覚えています。
初めて目の前でサインをもらったのは、聖子さんがプライベートで他の方のコンサートに来ていたところを偶然見つけ、図々しく・・・。
ルーズリーフの用紙にボールペンしか持ち合わせていなく、失礼かな・・・とも思いましたが、想う気持ちを抑えることはできず・・・。

この時も他の誰一人気がつかず、サインをしている聖子さんのことを、「誰・・・?」とささやく声・・・。
人ごみの中から彼女を見つけ、「この女性を見紛うことはない・・・」と初めて確信した時でもありました。

初めて握手していただいた時の手の感触は、未だに手に残っている。
存外大きな手で、指が長い・・・女性にしては堅い手の平だな・・・と。
お約束通り、次の日まで右手は一切使わず、手も洗わず・・・。
共にもう四半世紀以上も前のこと・・・。

一生忘れない想い出のひとつ。

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アガサ・クリスティ晩年の秀作『鏡は横にひび割れて』
『クリスタル殺人事件』というタイトルでエリザベス・テイラーも出演して映画にもなっている作品の中、こんなエピソードがあります。

アメリカの名女優がある村のパーティーに招待され、殺人事件に巻き込まれます・・・。
数年前にその女優にサインをもらい、会話を交わしたことのある女性が、再会できた女優の前でその時交わした会話の内容、想い出話を話し始めます。
瞳を輝かせて、懐かしい想い出を楽しそうに・・・。
女優の方は当然憶えているわけもなく、一生懸命に話すその姿に困惑気味・・・。
そして次第に、上の空・・・。
作品の中での重要なポイントであり、伏線となる大切なシーンにもなっています。

ある映画批評のコラムか何かで、このシーンでのファン心理を綴ったものを読み、とても印象に残っています。
ファンというのは、たった一度のことが忘れられない想い出となり、たった一度もらったサインが、たった一度だけの会話が一生の想い出、宝物になることがある・・・。
「その人の人生を変えることすらある・・・」と。

スポーツ選手、歌手、俳優、作家等々・・・一度もらったサインが、一度会ったことが、その人のファンになるきっかけとなり、ずっと見守り続けること・・・。
珍しことではないと思います。

サインは憧れの人に近づくことの出来る第一歩。
たかがサイン、されどサイン・・・。

昔のスターは、そんなファン心理を大切にしてくれた人が多く、何がファンにとって「夢」なのかを知っていたような気が・・・。
自分の素顔を、プライベートを見せるのが「ファンサービス」ではないと・・・。

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ファンの前でもあまり飾ることなく、いつも素顔を見せてくれる聖子さんですが、彼女なりにアーティストとしてのプライドを持っています。
厳しい態度を見せることも時折・・・。
きっと聖子さんも辛いはず・・・。
きっと後に、自分の行動や発言を反芻して目を伏せるはず・・・。

ファン心理。
過ぎればその人に迷惑をかけることにもなり、
お互い哀しい想いを・・・。
踏み込んではいけない一線・・・
その節度を守るのは、その人を心から想い慕う気持ちのみ・・・。

その気持ちがお互いに通じ合った時、何にも代えられないものが・・・。
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